げこの酒道にも登場!地域密着の名店「生蕎麦やぶ広」

今回は好きなお店シリーズ。漫画「げこの酒道」にも登場したお蕎麦屋さん「生蕎麦やぶ広」をご紹介します。美味しいお蕎麦がいただける地域密着型の名店です。

 

 

どこにでもある外観のお蕎麦屋さん。(以下、蕎麦屋

いわゆる町の蕎麦屋で、チェーン展開しているわけでもなく、暖簾分けのお店があるわけでもありません。こういうお店ってどんどん無くなってますね。

 

お店は趣のある佇まいで時間が止まったような雰囲気です。かといって汚いという事は全くなく、いつも清潔で気持ちの良い店内。慌ただしい雰囲気もなくゆったりとした空気が流れていて居心地がとてもいいんです。

 

そんな素敵な「生蕎麦やぶ広」の魅力をご紹介します。

 

 

先代からのこだわりの「おしながき」

写真:かけそば

筆者は変な時間に行くことが多く、店主と会話する機会があります。

その際にいろいろ伺うことができました。その中で感心したことを2つご紹介します。

まず、蕎麦屋なのにうどんを注文する人が多い印象がありました。そこで筆者は「蕎麦屋なのにずいぶんうどんの注文が多いですね」と聞いたことがあります。

 

そうですね、時期にもよりますが冬は多くなりますね。うちは冬になると「なべ焼き」が人気ですがあれはうどんだけなので。でもあれですよ、うちはうどんも手打ちですから。蕎麦を打つよりも時間がかかってるかもしれません。

 

衝撃でした。蕎麦屋なのに?って思いませんか。

また、おしながきも他と違うところがありまして。例えば蕎麦屋によくある「山菜そば」とか「とろろそば」とかはありません。これも聞いたことがあります。

 

蕎麦屋の山菜って業者が1人前をパックで売りに来るんです。うちは父親の時代からそういうのは使わないって決めてるんで。今でもセールスに来ますが断ってます。「とろろそば」は単純に出来ないんです。作り置きが出来ないので注文されてからとろろを擦ってたら他が出来なくなっちゃいますから。1人だと難しいんですよね。

うちは大した蕎麦屋じゃないけど、お新香(ぬか漬け)から基本は自前で作ってますから。そこだけはこだわってます。

 

本当に感心したというか、職人のプロ意識そのものですよね。凄い。

 

絶品メニュー3選。

筆者は全てのメニューを食べました。隠しメニューも含めて。

実はこの「生蕎麦やぶ広」は隠しメニューが多く、しかも美味いものばかり。そもそもの一番人気である「天もりそば」がメニューにありません。メニューに載るのは大晦日だけ。大晦日だけはメニューが蕎麦だけになることもあってか載ってます。

とにかく筆者が選ぶ絶品メニューをご覧ください。

 

肉南蛮そば

 

蕎麦といえば冷たい蕎麦。筆者はそう思っていました。

蕎麦は蕎麦が美味ければいい。おつゆよりも蕎麦なんだと。浅はかでしたね。

いや、もちろん蕎麦は美味い方がいいのですが、蕎麦だけでもおつゆだけでもダメなんだと。他の麺類では当たり前ですが何故だか蕎麦だと勘違いしてしまいますね。

 

こちらの肉南蛮そばはもう最高に美味い。

ここの蕎麦屋は豚肉がたぶん美味しくて、その豚の甘みとか出汁とかが全部つゆに溶け込んでるんですよね。具としての豚も美味いのですがおつゆは絶品です。

あとトロトロになったネギも美味いし、いんげんも良い味だしてて美味い。

とにかく一度味わって欲しいおつゆです。

 

かつ丼

 

筆者が食べたかつ丼で一番美味い。つまり筆者の中で日本一。

まずやっぱり豚が美味い。そして特徴はかつが程よくカラッとしているというか、”ひたひた”ではないんですよね。写真からも卵のかかり具合て伝わるのではないでしょうか。

 

ここのかつ丼は好き嫌いが分かれるかもしれませんが、ここでしか味わえないかつ丼だと思います。蕎麦屋かつ丼ってだいたい似たり寄ったりなんですが、ここは明らかに違いがあるので是非一度試してほしいですね。

もっともここでしか味わえないのでハマると大変ですが(笑)

 

かき玉そば

 

生姜の効いたあんかけ蕎麦。

これも絶品です。他にはないんじゃないかと。冬に食べるとにかく温まるお蕎麦。

まず餡(あん)の粘度が凄い。蕎麦を食べ終わるころにはほぼほぼなくなります。そしてそれだけ蕎麦に絡みます。蕎麦だけでなく、ラーメンでもあんかけはありますがここまでの粘度のものは食べたことがありません。

あとは生姜の効き具合が最高です。”ちょうどいい塩梅”ってこういうことを言うんだなって思いますね。

 

番外編

 

おしんこ

地味だけど名脇役なので食べて欲しい。自家製のぬか漬けで季節によって野菜も変わるし、ぬか漬けなので日々味が変わるので飽きません。

お値段も安いし何ならハーフサイズでも頼めます。(隠しメニュー)

 

げこの酒道にも登場。

 

げこの酒道という漫画をご存じでしょうか。

店主に伺ったところ、昔こちらの蕎麦屋でバイトしていた方が作者のようで一度取材に来られたのだとか。2巻に描写がありますので興味がある方はどうぞ。

お店の外観とか置いてあるものとかそのままですね。

 

 

感想。

写真:大もり

 

いかがだったでしょうか。

今回は筆者が愛してやまない「生蕎麦やぶ広」をご紹介しました。

1人で軽く飲むにも最適でお世話になっています。こういうお蕎麦屋さんはどんどん減っています。安い立ち食いか高級路線でしか生き残れない時代になりつつあります。

今回紹介した「生蕎麦やぶ広」は辺鄙な場所にあるし、気軽に行けるようなお店ではありません。でもきっと皆様のお家の周りにもいいお蕎麦屋さんはあると思いますので大切にしていただきたいですね。

 

ちなみに敢えて隠しメニューはほとんど紹介しませんでした。

「えっ」っていうものがあるので、立ち寄った際にはチャレンジするのもいいかもしれません。もっともそれは今回紹介した絶品メニューを試してからどうぞ。

 

 

今回は以上です。ありがとうございました。